私たちは、日々どれだけほめられ、相手をほめているのでしょうか?
ほめられるというのは、何歳になっても嬉しいものです。
話を聞いていると「ほめられることがない」「だれも私をほめてくれない」「私は認められていない」と言う言葉を聞きます。しかし「私は、ほめていない」と言う言葉は聞くことがほとんどありません。また「私は部下や同僚を認め、承認をしている」と言う言葉はよく聞きます。これってなんか矛盾していますよね。
それぞれが相手を“ほめている”のに、“ほめられていない”と思っているのです。
人は“ほめ合う”ために生まれてきたのにどうしてこんなことが起きるのでしょうか?ほめ合うにはどうしたらいいのでしょうか?
少し考えてみたいと思います。
まずは“ほめる”ことの効果について考えてみましょう
“ほめる”ことによる効果について興味深い研究があります。1925年、エリザベス・ハーロック博士によるものです。
小学生を対象に「ほめる」と「叱る」「無視する」という行為を繰り返した結果、成績がどのように変化したかという実験です。
5日後の成績がどれだけ高まったかの調査は次の通りでした。
・「ほめる」ことを続けられた生徒は71%
・「叱る」ことを続けられた生徒は、19%
・「無視する」ことを続けられた生徒は5%
という結果だったのです。
「ほめる」効果が他の「叱る」「無視する」より大きいということです。
そして「無視する」ことが一番成績に大きな影響を与えるということもわかりました。
相手をほめるためには、まず自分をほめることからはじめましょう
日本人は、自己肯定感が低いと言われています。自己肯定感は、自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられることです。
まず大事なのは、「自分をほめるほどにしか相手をほめることができない」ということです。
まず「自分をほめる習慣」を身につけましょう。
いきなり自分をほめるように言われてもできないものです。
まず自分の発する言葉を変えることから始めるのがよいと思います。「プラス言葉」を使うことです。
プラス言葉の具体例として「ありがとうございます、楽しい、おもしろい、感謝しています、素晴らしい、大好き、できる」等です。
プラス言葉を発することで、環境や状況が変わっていきます。
毎日1回からプラス言葉を発することを習慣化していきましょう。
相手をほめるためには、自分の立ち位置をかえてみましょう
人間は人の悪いところにはよく目がいきますので、相手への指摘ばかりするようになります。例えば指摘ばかりされている部下が相手をほめることができるでしょうか?叱られてばかりいると自分をほめることができなくなります。
まず上司の方が良い点に目を向けるためには視野を拡げる必要があります。
「群盲、象を撫でる」というインドの逸話があります。数人の目の見えない人たちが象の身体に触れ、それぞれ自分の手の触れた部分だけで象を何か言い表す話です。
足を触った盲人は、「柱のようです」、尾を触った盲人は「綱のようです」、鼻に触った盲人は、「細長くて蛇みたいな動物だ」と答えた。これはみんな正しいのです。違うのは立つ位置が違うだけなのです。相手のよいところをみようとするなら立つ位置を変えてみることが大切なのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ほめることの効果は、みなさんも理解されていると思いますが、実験で実証もされています。
ほめるために大事なことは自分自身をほめる習慣を身に着けることです。
そのためには毎日発する言葉を意識して変えていくことです。
プラス言葉を発していきましょう。
そのことにより自分自身も前向きとなり、周りからもほめられるようになります。
人を変えることはできませんのでまず自分自身が相手をほめることから始めましょう。
そうすることで相手からほめ言葉が返ってくるようになります。
知らず知らずのうちにほめ合う文化が醸成されるのです。