現在、ハラスメント防止対策が、病院その他の企業でとられています。ハラスメントのない職場を目指していきたいと思っています。ハラスメントをしないようになるために必要なことは、感情のコントロールが上げられると思います。
感情のコントロールをする上で大切なことは、お互いのものの捉え方、価値観を理解することです。
私が看護部長している時も「ハラスメントを受けた」と事案があがってきました。
ハラスメント防止対策委員会があり対応はしましたが、どうしてハラスメントが起こるのだろうと考えました。
その時、わかったのが、相手も自分と同じものの考え方や価値観を持っていると言う前提があるために、トラブルになることが多いと気づきました。今日は価値観について一緒に考えてみたいと思います。
価値観は、人によってそれぞれ違うことに気づきましょう
今職場で相手のことを理解していないことで多くのトラブルが発生していると感じています。
相手の立場になって物事を捉える、または捉えようとすることが不足しているために、「なぜできないのか?」と大きな声を上げて恫喝したり、無視したり等の言動が起きてしまうことは少なくありません。
どうしてこのようなことが起きるのかと言うと、「自分と相手は違う」ということを理解していないからなのです。
多くの現場では、「看護師なんだからこれくらい知っていて当たり前」「普通は○○よね」「看護師なんだから優しいのが当然」等自分の価値観を前提として物事を捉えて、批判してしまうのです。
自分の価値観が相手も同じと勘違いしてしまいがちなのです。
お互いの価値観の違いに気づき、認めることから始めてみましょう
価値観は育った環境や、今まで関わった人たちにより形成されます。そのため同じ職場で働く看護師であっても、同い年の看護師であっても、人の考え方や捉え方は、みな違うのです。50人いれば50人の価値観があるのです。
それぞれの価値観があることを知り、そして認めることが、良好な人間関係を創る前提であるのです。
自分が正しいと思っていることが、相手にとっては、あまり重要でないこともあるのです。
自分の中にも強いこだわりや価値観があると思います。「~べき」「~べきでない」という言葉です。
「いつも笑顔であいさつすべき」「患者のことを一番に考えるべき」「周りの動きをみて学んで自分で判断して動くべき」等きりがありません。正しいことなのですが、その時の状況によりできないこともでてきます。
新しい職場でよくあるのは、「周りの動きをみて学んで自分で判断して動くべき」と先輩に言われることがあります。それは先輩は、「教えられる前に自分で学ぶべき」という価値観があるのですが、新入職者は、「新しい職場なので教えてくれるのが当然」という価値観なので教えてくれないことに困惑するのです。先輩は、「ダメな新入職員」というレッテルをはり、新入職員は「いやな先輩」となり関係性が崩れてしまうのです。
まず、自分の価値観である「~べき」を振り返ってみましょう
人にはそれぞれの「べき」があります。それぞれの信念があります。
ひと昔前は、組織の中で言われたことをするという「答えが一つ」の時代でした。
上司の言うことをしていれば正しかったのです。
しかし今は、多様性の時代となり様々な価値観があります。
様々な価値観をいかに受け入れていくかが必要になってきます。
看護の現場でも同じです。患者さんのために貢献したいという思いは同じであっても、それぞれのスタッフが、何を大事にしているのか、何を優勢させて行動するのか知っておくことが大事です。
そして相手の価値観を知ることは大事なのですが、まず自分がどのような価値観をもっているのか振り返ってみましょう。自分がよく思っていたり口にする「~するべきでしょう」「~なのだから」を書き出してみるのもよいでしょう。
そうすることで、自分自身を客観的にみえるようになります。
私が看護部長になりたての頃は、「師長なのだから」「リーダーなのだから」等役割があるのだから頑張るのが当然という発言をしていたことに気づき、日々の言葉を書き出したり、時には録音してみたりして振り返ることで、自分を客観的に見ることができるようになりました。
その結果、「師長さんどうしたんだろう。最近頼んだことができていないけどどうしたのかな?」の視点で関われるようになり、師長さんからも色々な相談が上がってくるようになり、関係性も良くなっていきました。
まとめ
どうだったでしょうか?
人は、今までの経験の中で物事を捉え、それが正しいと思ってしまいます。
しかし、物事は色々な捉え方があると気づき、自分の心を柔軟にして、相手の立場でも考えられるようになると人間関係が上手くいくようになります。
相手の立場で考えられるようになると「そういうこともあるのだ」と思えるようになります。そうは言ってもなかなか難しいものです。その時は、周りの人に意見を聞いてみましょう。
自分とは違う価値観を受け入れることは、人を尊重することになります。
多様性の時代を生き抜くためにも、自分自身が相手の思いを受け止めることがとても重要です。